妖怪絵札第二十回もまたマイナー。アマビエでございます。
その昔肥後の海に毎晩光るものが目撃された。その噂を耳にした役人がその場に行ってみると魚のような光る生き物が現れた。
更にはその光るのの言うには、自分はアマビエという海に住む者で、この国はこれから6年間豊作恵まれるが、もし病が流行ったら、私を写した絵を見せなさい。そうすればよくなるでしょう。とのこと。
アマビエはそう言うと再び海の中にもぐってしまったいう。
所謂一種の人魚のようです。
人魚系統の妖怪は予言をする設定が多いです。それは西洋でもしかり。
しかしどちらかというと凶兆である西洋の人魚に比べると、このアマビエは病気を治す術(?)を教えてくれたりととても親切ですね。なかなか西洋じゃお目にかかれないタイプです。
この際同じタイプだからこっちも紹介。
こちらも人魚系、出身は沖縄の妖怪、ザン。
アマビエはちょいと半漁人的というか、魚っぽさが大目なのに対し、(日本の人魚にしては珍しく)こっちは下半身が魚で上半身が美女。(絵が美女になってなくてゴメン)
実はいわゆる皆さんが思い描くマーメイド的な人魚は日本にはほぼいません。
大概がどっちかっていうと人面魚だったり、顔が猿系だったりおっさんだったりで悲惨です。妖怪という字の怪の字の方の怪しいが大半です。
ザンは一握りの日本美女人魚なわけですが、コレといった特徴はないです。
ザンは人に対して友好的で、人間に津波を知らせて避難を促したりしてくれます。
ちなみに、日本でも少ない友好的人魚の中にもう一つ、海人魚というのがおります。これもザン同様珍しく美女であり、人間と結婚したケースもあるとか。
個人的にはアマビエの存在が気になります。ザンってのは調べてないからよく分からないけど、多分沖縄の言葉なんだろうなって思うんですが、アマビエってどういう意味?アマエビのアナグラム?笑
何にせよこっちは自分で「私はアマビエ」って言ってんだからどうしようもないよね。
予言内容もザンは海関係なのに対して、アマビエは海関係ないし病気治癒能力のオマケ付き。
ちょっと妖怪というより神様臭を感じます。
ちなみに日本妖怪における「人魚」も結構恐ろしい存在です。
良い匂いがし、味もよく食べると長寿になるとも言われていますが、基本的に不吉な徴であり、それを殺したりすると暴風雨、津波、地震、と、天変地異に見舞われるとされています。
まさに海というものに対する畏れを体現している存在なわけですね。
それにしても人魚伝説もある一定の共通項を持って方々の海外でも存在しているのが面白いですね。単に話が輸入輸出したのかもしれないし、何か潜在的なとこで人魚という空想を人間はするものなのかもしれないし、何か空想のきっかけになる生き物、現象があった、もしくは実はある、としても。
絶対的なルールのようになってる科学の時代である現在に対して、非科学的な時代に、地球の至る所で同じような空想を人間がしていたって事自体が面白いです。
※最近妖怪絵札の更新が多いのは他にストックがないからだよー 笑
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