第二十一回はマイナーの中では結構有名どころと思われる妖怪くだんです。
これは本当に不思議な妖怪です。設定がとても惹きつけるものがあります。僕の好きな妖怪の一つです。
くだんというのは、牛から生まれる妖怪です。くだんは生まれるとすぐに人語で話し、一つ予言をするのです。予言は至極正確で必ず当たるというのですが、このくだん、予言をするとすぐに死んでしまうという妖怪なのです。
くだんの容姿には普通の子牛と同じというのと、人面の子牛であるというのの2パターンあるらしく、人面の方がポピュラーなようですが、個人的には普通の子牛が生まれて突然人語で予言をして死ぬ方がドラマチックで神秘的だと思うので子牛派です 笑。
なんせ、ちゃんとは観てないけど、一時期テレビでやってた妖怪大戦争の冒頭でくだんが出てくるシーンがあったんだけど、それのくだんのデザインがあまりに怪物すぎてこれじゃ怖いだけだなーと、自分のくだんに対する持っていた神秘的イメージを壊された時「違うよなー」と思ったので。
いつだか昔中学生くらいにコピー用紙に鉛筆で描いていた妖怪漫画にも出したかった妖怪です(全体構想はあったけど途中までで止まった)。
そのうちくだんは何かの折に漫画で扱いたい妖怪です。いいシーン浮かぶし、何で妖怪を扱った漫画もゲームもくだんを使わないのか理解できないぜ。凄く設定が美味しくてドラマチックなシーンが描けるのに。
自分がくだんという妖怪に惹かれる理由は何だろうと考えたとき、一つはすでに挙げた「神秘的」というのもありますが、もう一つに、この妖怪が使命を帯びてこの世に生を受け、その使命をまっとうしてその短い命を閉じる姿にあるのかもしれません。
短い間しか生きれないけれど、くだんは自分のすべきこととそれする意志を理解して生まれ、まっとうして死ぬ。短いながらも輝いて逝く姿。これは一種のヒーロー像に近いのかもしれません。
更にいえば僕みたいな、優柔不断に生きてるいわゆる迷える子羊にとってくだんはいっそう輝いて見えるのかも。
こういう僕の使命意識というか何かを成し遂げなきゃいけないという義務意識も、今の日本情勢に急かされた結果の形の一つなのかもなあ。良い悪いは別問題で。
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