ぬーん
漫画版シルクスペクターなポン子コン子。ポン子はつま先立ちで背伸びしてるよ。
この絵も結構前に描いた絵なんだけど、随分前に友達に借りてウォッチメン原作を読みました。
とても面白い。小説のようでいて、これはコミックの形だからこそ、この形式だからこそ面白いというか。話と話の間に毎回、登場人物の書いた本の抜粋や、新聞記事、精神科医のカルテやらが挿入されているのも面白いし、それが読み進めていくと本編に大きな繋がりやヒント、世界観の掘り下げに一手を担っていて、単なる補足の域を超えてこれさえもこの『本』の仕掛けになっていました。
全体に漂う渋い雰囲気。ヒーローたちそれぞれのドラマ。毎チャプターの締めの引用もカッコイイ。
映画版の感想で「とても面白かったけど、星三つくらい」みたいな事書きましたが、なんか原作読んで色々そう感じた理由が分かりました。
多分この作品は、確実にグラフィックノベルという形がベストなんだということ。まあ、原作ものにそれは付き物っちゃあ付きものなんだけど、ウォッチメンは確実にそれ。
扱っているものも話のスケールも、キャラ一人一人のドラマも、とても2時間3時間で描くのは到底無理だと思う。新聞屋のおじさんと、コミックを読みふける青年のエピソードは、映画版では『あの』シーンでちらっと映るくらいでカットされてる。けど、あれは結構意味の大きいエピソードだったと思います。確かにストーリーを時間内に追うにはカットするしかなかったのかもしれないけれど。
もう一度映画版見た後の感想を自分なりに再確認してみると、
「世界観にも、キャラクター(主にロールシャッハ)にも惹かれるし、面白い要素も多い。はっきり言って好きなタイプな映画だ。けど何かが…」
映画版はこれだけの内容の漫画を一本に収めるために、ストーリーを追うのに忙しくなっている感じがしたし、
観てるこっちもキャラクターを覚えるの、その関係を読むの、この後の展開を予想するの、そしてこの黒幕は誰か!?を探るので、難しい話ではないし分かりにくくはないのだけど、非常に忙しい(言い換えれば充実した?笑)事になるので、それこそこの作品が元々持ってる色んなテーマだのメッセージだのを受け取るよりも先に、結末が最後の印象になってしまってました。
それこそネタばれというか、例の黒幕は誰だ!の部分は割りと予想通りに、しかも「それって完璧かなあ」な感じなので、「面白かったけど名作かどうかは」みたいな印象に僕はなってしまったんだと思う。
その点、原作は自分のペースで読めたので十分に楽しめました。
映画で描ききれてなかったキャラクターの面も充実してて、ジョンやコメディアンだの他のキャラも原作の方が魅力がありました。映画版はロールシャッハ以外が物足りない気がしたので。
まあ映画レンタル始まったらまた借りて観るけどね!!
ウォッチメンは動と静でいったら確実に静の漫画。けどチャプター毎に読んだあとに残るもの、満足感は毎回大きいです。
多分採算が合わないから無理なんだろうけど、超金かけてチャプターずつ完全再現した(といってもまんまでは無理だろうから、余すとこなくうまく映像化するという意味)ドラマというかテレビ映画にしたら凄かったんじゃないだろうか。
まあ、なんにせよコミックがベストというところは揺るぎそうにないけどね。
そういえばウォッチメンの作者はVフォーヴェンデッタの原作コミックもやってるらしいのですが、あれも原作は面白そうだなあ。ちょっと読んでみたい。
因みに原作の方はアラン・ムーアという人なんですが、Vの映画化試写でその出来に怒ってしまい、今後自分のコミックが映画化されることがあっても、自分の名前をエンドクレジットに載せないでくれと言ったらしいです。
未確認だけど映画ウォッチメンにも名前出してないとか。
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