妖怪絵札第十九回、前回に続きまたもやマイナー妖怪にござい。
今回は目競(めくらべ)。
これは正直妖怪というよりは見た目のように怨霊といった感じ。
その昔、かの平清盛が安徳天皇を奉じ、遷都を果たした夜に清盛の屋敷の庭に突然現れたのだといいます。
無数のドクロが折り重なっており、さらにはそれらが見る間にどんどん集合し、大きなドクロへ変化する。無数の目を持っており、その目で清盛にガンつけたことがあったとか。
しかし清盛が逆に睨み返すとたちまち消えてしまったという。
多分清盛に怨みのある者達の怨念の集合体とかそんなんでしょう。
ちなみに清盛はこの同じ晩に大首という妖怪も目撃しています。
大首は名の通り、生首のような妖怪で、お歯黒をつけた女の顔の妖怪です。その大きさは約1.8メートルという凄まじさで、突然上空からガーンと現れてはゲラゲラと笑うといいます。(怖すぎる)
生首妖怪といえば、水木しげる大先生の絵の「どたっ」のインパクトの強さのおかげで有名な
「夜なべ済んだか、釣瓶おろそかギイギイ」
で現れる釣瓶落とし(釣瓶「おろし」とも)が有名ですね。なんか一気に五、六匹で降ってきてゲラゲラ笑ったり、場合によって引き上げて食ってしまったりでこっちもなかなかのトラウマレベルと危険レベルです。
話が逸れましたが、目競出現と同じ晩に、大首が清盛の屋敷の塀の上にドンとのっていたのだそうです。怖すぎる。
清盛は他にも色んな禍々しい逸話が残っていますね。ようは歴史ってのはこういうものなんだと、そういうことなわけですが。
当時とってもべビィだった安徳天皇も、後に勝手に酒呑童子(鬼童丸の項でちょいと触れた鬼)の生まれ変わりだったとか言われちゃったりしてます。
歴史ってのは常に勝者のものなんですね。ぽえーん。
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