第二十三回はほんのりマイナーな百々目鬼。←で『トドメキ』と読みます。
同じ百々目鬼にも色々いるのですが、一般的には腕の長い女の妖怪で、とても手癖が悪く、その長い腕を使ってスリをします。
ただ、それでは普通に腕の長い女のスリ師なわけだけど、百々目鬼の場合、盗んだ銭がその長い腕に張り付き、鳥の目と化すのです。なので、女の腕には無数の鳥の目玉が付いているわけで。リアルに想像するとなかなか禍々しいビジュアルですね。
これは、昔の銭というのは穴が中央に空いていて、鳥の目のようであることから『鳥目』と呼ばれていたことからきているようです。
別バージョンの百々目鬼は、全身に針のような毛の生えた大きな鬼で、やはり両腕に無数の目玉がついているというもの。こちらにまつわる話はどっかでかじり読みした程度で大して知らないのですが、宇都宮に現れた鬼で、その鬼が現れ、懲らしめられた土地に、今でも『百々目鬼通り』という地名で残っているとか。
関連性は謎ですが、漢字は違えど『トドメキ』という名の地名は各地に残っているそうです。
腕に、手に目が、という妖怪で有名どころといえば、ある夜盗賊に切り殺された罪もない盲目の男の怨みの念から生まれた『手の目』という妖怪もいます。
復讐の対象である盗賊を手探りででも探すという執念がそのまま形になったとでもいうのか、目玉の付いた手の平を持つ姿をしており、夜な夜な徘徊しては怨み晴らさんとしている妖怪です。
なかなか怖い姿です。ギレルモ監督のパンズラビリンスに、これの影響というか、これを参考にしたのかな?という恐ろしいキャラクターペイルマンが出てきますが、確かに現実にお目にかかりたくない妖怪です。
特にペイルマンは、ギレルモ監督がこの映画辺りから使い始めた、「着ぐるみと比較的簡単な人間のパーツをデジタル処理で消して、人離れしたシルエットのキャラクターを作り出す」技術の、効果的にそれが利いていたデザインでした。あの、ありえない脚の細さ、めっちゃくちゃ怖いです。映画館で見る前にバストアップのペイルマンの写真は見てたけど、実際全身が出た時はリアルに鳥肌立ちました 笑。完全に全部CGで作られたキャラには出せないヤバイ存在感がありました。
凄く話が逸れました。
因みにもう一つ。この、手の平に目玉というビジュアル、某少年誌で漫画化された中国の三大怪奇小説(?)の一つ封神演義というのに登場する楊任という仙人が、眼孔から手が伸びていて、その手の平に目玉が付いているのですが、この『手の平に目』というのには何か宗教的な意味とかもあるんでしょうか。
漫画版封神演義は原作との違いが結構ありますが、楊任も、漫画版では例の目は植えつけられた宝貝となってましたが、確か原作は特にそういうことではなかったと記憶してます。
原作では火眼金星術(漢字の記憶あやふや。多分間違ってる 笑)とか、眼で様々な術を使う仙人でした。
また微妙に話しが逸れましたが、『手の平に目』の意味というか、ルーツには結構昔から興味があります。何か知ってる人がおられたら教えてほしいです。
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