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一応日記的なもの

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a0457fa1jpegクダ走らせ 千を知り


クダ憑かせて 誅殺を試みる


クダに悪なし クダに善なし











今週の妖怪絵札はもはやメジャーどころの管狐です。


これもほとんど解説なんていりませんよね。
手のひらサイズの生き物で、これを使役して人を呪ったり、予知を行ったりするという。普段は竹や木の筒に入れたり、袖に入れて持ち運ぶという、アレです。


多分、要は式神(識神)とかと同じ部類だと思います。
安倍清明や役小角とかの一流は十二神将だとか前鬼と後鬼といった鬼神を使うのが定番だけれど、同じ部類とはいえ巫女や山伏、民間陰陽師はこういう獣の霊的存在を使ってたんですね。


管狐のことを、飯綱(井綱)と呼ぶということも、もう説明する必要もないよね?井綱使いは普段は家の床下に飼ったりするそうな。


「管狐を飼うって、要はどういうことよ?」って思いませんか。霊的なものを「飼う」とかって何?って。どこから井綱使いって始まるんよ?って。


本で読んだんですが、一応あるんです。霊狐を使役する法ってのが。
『管霊狐魂魄使役神通真伝経』というのがあるんだそうです。流石に空に覚えるのはキツカッタので、本をメモしたものを紹介します。


まず、管狐の魂魄を召請するためには49日間、五辛の飲食、酒色、不浄の穢れを戒めねばならない。


①管狐の魂魄を召請するための霊符を奉書紙あるいは羽二重の極上布に記す。


②その紙を九字にちなんで、縦4折、横5折に折って小さくし、縦3寸、横1寸、深さ5分の檜の箱に入れ、錦の袋で包む。


③深夜、丑の刻にこの箱を安置し、北斗七曜にちなんで、七つの灯明を献じ、飲食物を供えて香を焚く。


④その前で呪文を唱え、霊符を空書する。


⑤「管霊狐駆役如意神通之呪文」を唱えつつ、次のことを観想する。キリカクの字(梵字の一つのことね。キリークの字に似てるやつ。文での説明ムズイ 笑)が変じて人黄となり、人黄が変じてダキニとなり(狐の精で、六ヵ月後に死ぬ人間を察知してその肝を食う美女の姿のインドの鬼神。日本の仏教ではダキニ天として祭られてる仏様ですよ!)、ダキニが変じて文殊菩薩となり、文殊菩薩が変じてダキニ辰狐王(=ダキニ天のことなんだけど、この辺は説明が実にムズイです。辰狐王っていうのは、天に住まう神聖な狐、辰狐の王で、ああ、なげえ!また今度!!!笑)となる。ダキニ辰狐王が変じて管霊狐となり、その魂魄威霊は呪文の力によって自分の脳頂より腹部に降下し、それが口からいでて、箱の中の霊符に降憑する。


というようなことを、49日間繰り返す。この法を行うと、早ければ2週間ないし3週間、遅くとも4週間から5週間の内には必ず応験があり、眼前に白狐が出現したり、ダキニの尊体が示現したり、あるいは神秘的な霊光が修法している部屋いっぱいに遍照したり、狐の声を聞いたり、管霊狐の背に乗って空中を飛行する霊夢をみたりするという。


このようにして49日で行が終われば、その霊狐に名前をつけて日々祀る。そして必要に応じて願い事を念ずれば、それを霊狐がかなえるとされる。


― らしいです。いやあ、流石に便利な狐さんを使役するには、大変な苦労が必要なんですね 笑。そりゃ他の事を絶って49日間も狐さんの事考えてりゃ夢にも見ますワナ。流石に実行は出来ませんね。つかまず霊符と呪文がわからないです。


昔の人は面白い事考えるなあ。面白いと思いませんか?そうですか。


こういう霊的な事に、「名前」を付ける。っていうのは必須なようですね。要は精神的な存在ですから、名前が霊的な不確かで捕らえにくいものを「縛る」わけですね。だから目に見えない式神にも必ず名前があって、名前で使うわけです。


妖怪なんてのも、これと同じですよね。夜、どこからか小豆を洗うような音が聞こえる。それを人が「小豆洗い」という妖怪だといい始める。その「音」は名に縛られて「小豆洗い」になるわけですよ。天井の染みも、あれは「天井嘗め」がやったのさ、と誰かがいい始めると、その染みは名に縛られて、「天井嘗め」が来たしるしになるわけですね。
名が縛るから妖怪はいることになるんです。そういう名で呼ばれてた頃には、間違いなくそれはそこにいたんでしょう。


今や日本は夜でも明るい町に溢れてます。想像の余地がないですよね。いちいち不思議に名前を付ける余裕のある人もおらんし。これでは妖怪なんて「いる」ことにはなれませんよね。妖怪も今やキャラクター商品になるのに必死ですからね 笑。





そういえば、小学1年の頃は何故か学校の怪談話が異様に流行ってた。よく、誰それが口裂け女に遭っただの、昨日花子さんが出ただのってみんなで噂をしてました。それも、そういう遭遇話が頻繁に。
今考えるとなんだか妙なんですが、あの時は何故か彼等の存在がリアルだった。


これはもう夢に見た記憶との混同で、事実だったかヨクワカラナイんですが、一年生の時に、『今トイレに花子さんがいる』って話が飛び込み、友達とそのトイレに向かったんです。着くとそこのトイレのドアの前の廊下に十数人以上の人だかり。みんな恐る恐るトイレに近づいている模様。僕も後ろから見ていました。
と、突然、物凄い音がして、バーンとそのトイレのドアが開いたんです。でも、その扉をバーンと開いた中には誰もいない。どういうことだ??思わずみんな「うわあ!」と声を上げます。女子の甲高い「きゃあ」が今も耳に残っています。


― でもそこまでの記憶しかないんです。僕は2年生の時と3年生の時に引っ越していて、その時の小学校の友達とは全然会ってません。だからその記憶がただの夢だったのか、なんだったのか、未だにさっぱり分からんのです。



まあ、それが夢だったとして、とにかくその頃花子さんだの口裂け女だのは子どもの僕にはリアルな存在で、その時彼等は確実に僕らの中にいました。


でも、それが怖かったかというと、何故かあの頃僕らはそれをこの上なく楽しんでいた気がします。そして今でもそれは何かワクワクさせる思い出として記憶に微かでありながらもなお、色濃く残っているんです。

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