日和坊いでて快晴
日和坊いでて晴れっぱなし
全てが乾いても晴れっぱなし
今週の妖怪絵札はマニアックな日和坊です。
昔調べた本の解説が一致していなかったので(毎度ながら記憶によってるんで曖昧なんですが)、両方紹介します。
片方は、日和坊が出ると全く雨が降らなくなってしまい、旱魃や飢饉を起こしてしまう言わば「困った妖怪」とするもの。
もう一つの茨城県に伝わるものは、雨や曇りの日には見えないが、晴れになると山奥に現れるというもの。
特に悪いことは何もしないので、『今日は日和坊に晴れにしてもらおう。』と、その姿を模したものを軒下にぶら下げ晴れることを祈る人が出るようになったとか。いわゆる『テルテル坊主』ですね。そのルーツなんだそうです。
また、雨の日にしか現れない、小雨坊というのもいるらしいです。日和坊と同じく無害な妖怪らしいです。雨降り小僧の親戚ですかね。
ちなみに雨降り小僧は雨師という雨の神様に仕えてるらしいです(雨師ってなんか語感がカッコイイと思う)。民話で、狐が「明日娘の嫁入りをするから、雨を降らしてくれないか。魚をやるから」と雨降り小僧に頼み、雨を降らしてもらうお話があります。狐の嫁入りは雨が降ってるのがやっぱりしきたりなんだね 笑。
個人的には後者の無害な方がなんか好きですね(あたりまえか)。無害な感じとか、気候に関係して現れるとか、テルテル坊主ぶらさげたって降る時は降るその微弱さ加減がまさに精霊的で。
『君が気づけば僕らはここにいるよ。』 みたいな。その感覚が妖怪には大事だと思うんです。
横に逸れますが、雨と日照りの関係といえば龍と天狗も実は関係があります。
龍は説明するまでもなく、水を伴った妖怪であろうことは皆さんも解ると思います。ですから、日照りが続くとどこそこの龍に、大蛇にお願いしなければとなる訳です。
しかし逆に降りっ放しも困る。そんな時は(といっても他にも日照りの神様は色々います)、金翅鳥王にお願いするのです。金翅鳥王とは、金翅鳥を統べる王で、金翅鳥を別の呼び方をするならカルラのことです。
金翅鳥は龍を食べるインド由来の鬼神のことで、天狗のルーツとも言われてます。(まあ天狗に関して詳しくはまたいつか)
そんなわけで以前ここで晒した○年前に描いてた漫画でも、龍と天狗は敵対している設定でした。
以上、大分関係ない話が多くなってしまいましたがこれで終えます。
二年前に描いた(もうそんな経つのか)これら妖怪絵札シリーズは、この日和坊が最後です。
今考えると、妖怪の選出の仕方がよく分かりませんね。九尾狐とか文福茶釜はメジャーどころだし定番な感じですが、苦笑とか、ねえ。可愛くもカッコ良くもねーし。実際人気ないだろうなーと思いながら描いてたし結果もその通りでした。縁起悪い絵だもんねなんか。
やっぱ人気あるのは茶釜と九尾です。個人的にも一番最初に描いた文福茶釜が一番気に入ってます。色がね。結構失敗したなーってのが多くて。
今後もこの妖怪絵札のカテゴリーはアップしようと思います。妖怪絵札シリーズではないけど、妖怪の絵を紹介しますよ的なカテゴリーで。
そんなひよこ産業をこれからもヨロシクお願いします。
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