ヒーローファイル第二回の紹介は、古武術で戦う義賊ヒーロー、フォクシーレディ。
この場合は女性なので正確には本来の意味のヒロインか。
比較的新しい作品であり、既に女性のヒーローものはいくつか存在していたが、中でもフォクシーレディは人気作である。
作者が新人であったために、人気取りもあってか初期は色っぽいサービスシーンが多かった。
しかしフォクシーレディのヒーロー像は当初からしっかりとしていたために、人気が確固たるものになるにつれ、それに沿って次第にスタイリッシュな様式になっていく。
男性には勿論、意外と女性のファンも少なくない。
また、フォクシーレディは昔実在した狐の女義賊、ロビーナ・フッドをモデルとしているのも有名である。
主人公フォクシーレディに変身するのはシルヴィア・シャーウッドという名の少女。
有名なお嬢様学校に通っている。シャーウッド家はその昔王家に仕えていた特殊な布を扱う匠の家系であり、それにより繁栄していたが今は廃れ、いわゆる没落貴族のような状態にある。
何とか屋敷を維持しているものの、彼女の母は若くして他界。考古学者の父はある時行方不明になってそのままである。
その為、今屋敷にはシルヴィアと、昔から家に仕えているクマのじいや(本名リトル)しかいない。
彼女は極度の恥ずかしがりやであり、袖を捲ることすら恥ずかしくて出来ない。
普段はボディラインの出る服は勿論苦手で、学生服も自ら改造したロングスカートを着用している。
毎年学校の衣替えと、夏の水泳の授業が激しく憂鬱。
シャーウッド家には裏の顔がある。それは王家直属戦士としてのもので、
その昔は影から王家を護ってきていた。
彼らは独自の体術『イカリ』を体得しており、その技術は今も尚伝えられている。
勿論シルヴィアも幼少時から訓練を密かに受けており、イカリの体得者である。
しかしその訓練のせいでなかなか遊べなかった子ども時代と、彼女の場合尋常じゃない恥ずかしがりやのせいで、シルヴィアには友達が多くなく、特に異性との付き合いはほとんど全くないに近い。
イカリとは基本的に力を変換する体術で、剛を柔で制すものである。
太極拳などに近いものがあるが、イカリは普段眠っているエネルギーでさえ活性化させ扱うことも出来るので、正確には他の武術とはまた異なる特殊技術と思っていいだろう。
どちらが先かは今となっては分からないが、イカリの作法により、シャーウッド家はとても特殊な繊維加工が出来たという。
シルヴィアは正確に言うとフォクシーレディ『Ⅲ世』である。
仕えていた王家が衰退し、人々に気付かれぬまま擦り切れていくにつれ、世間との関係も薄れていくシャーウッド家だったが、悪質な独裁者、悪質な権力者が街に現れては、正体を隠し、彼らを相手に義賊行為を行ったのがその始まりである。
それはかなり昔に始まるのだが、その街の混乱期には周期というものがあり、Ⅰ世、Ⅱ世と数えられているものの、実際にはそれぞれのフォクシーレディはかなり世代が違う。
シルヴィアの前のⅡ世などは、既に6世代も隔たりがある。
ちなみにどういう訳か、混乱期に限ってシャーウッド家は女性がばかりが産まれていた事になる。
そして現代、多くの自己中心的な悪徳金持ちが、裏社会と手を組む混乱期に街は直面していた。かくしてシルヴィアは、フォクシーレディⅢ世として、市民の為に立ち上がることになる。
フォクシーレディは前述の特殊体術、イカリとその身軽さで戦う。
また、代々伝えられ改良もされてきた特製の可変ダガー『コゲツ』も彼女の千変万化な戦術の幅を広げる。
コゲツは通常の短剣形態、ムチ形態、更に瞬時に高い段差等をクリア出来るワイヤーフックとしても扱うことが出来る。
ワイヤー、つまりムチにもなる部分はイカリを応用して紡いだもので、柔軟にして鋭さも持ち、如何なるエネルギーも受け流すことが出来る。
フォクシーレディのスーツにもイカリを応用した技術が使われており、いかにも色々こぼれてしまいそうな危ういデザインのコスチュームだが、イカリの作法で身体に吸着し、イカリの作法でのみ脱ぐことが出来るので、見た目以上に着易く、脱ぎ易く、脱げ難い。生地は薄いが耐久性にも優れ、かつどんな布よりも軽い。
ちなみにこれはリトルが先代フォクシーレディの衣装をリニューアルしたものである。
勿論恥ずかしがりやの極致であるシルヴィアにとってこの衣装の着用は拷問でしかないが、マスクを付けてしまうとスイッチが入るらしく、そこからは全く平気。
性格も冷静沈着な、いわゆる『出来るカッコイイ女性』となる。
フォクシーレディは様々なヒーローの中でもかなり素顔に近い筈だが、普段とのギャップがありすぎる為に、そのギャップ自体が正体を隠すマスクとなっているようだ。
因みにスーツの各部にあるファー状の部分は、イカリの作法で引き抜くことでクナイに武器化する優れものである。
クナイの大きさと形状は、引き抜いたファーの量に応じて変化する。
武器化は数時間程度で解除され、解除と同時に塵となってしまう。
彼の名はウォーレン・トレイシー。30歳。
敏腕の捜査官で、今回新たにフォクシーレディの専任となった。
部下達からの人望は厚いがいわゆる仕事バカであり、それが原因で既にバツイチである。子どもはいない。
その腕で何度もフォクシーレディを追い詰めるも、最後はいつも彼女の知略に出し抜かれてしまう。
フォクシーレディの義賊行為による市民の恩恵の深さは感じているし、
別件で追っていた事件を彼女が間接的に解決へ手助けしてくれた事もあり、彼女に対して一定の評価はしているが、その真面目さ故にどこまでいっても盗賊行為には違いないとして頑として姿勢は崩さない。
彼女からは刑事さんと呼ばれている。
共闘した際にフォクシーレディの命の危機を救ったことがあり、以来彼女の態度が少々変って困惑している。
次第に個人的な感情も芽生えるが、あくまで不即不離な関係を保とうとしている。
シルヴィアとしては、年上の男性であるウォーレンに対して、行方不明の父親の面影感じてしまうのかもしれない。
彼はフォクシー・レディにおけるにおけるヴィランの総元締め、コーザ・“ブラックハート”・モル。
どこからともなく街に現れ、悪徳な金持ち達を、市民の生活を省みぬ“マネーゲーム”に誘い込む男。
性格は自分曰くほとんど最悪。服の趣味も良くない。
かなりの女好きで、やたらとはべらせたい願望があるらしく、フォクシーレディにも興味がありやたらと口説こうとするが、自分以外の生き物に対しての興味や愛情は一定以上は全く持っていないらしい。
故に彼の『経営』にはプライドも仁義も慈悲もなく、様々なタブーや裏社会のご法度さえも無視している為、一般市民にとどまらず、マフィアンソサエティさえも彼には混乱している。
ゲームはあくまで趣味の一環であるらしく、彼には金銭的価値とはまた領域を逸した独自の野望があるようだ。
あだ名であるブラックハートは彼の目のクマの形やその心無い行動から名付けられた。
彼女の名はヴィクシー・ベラドンナ。ブラックハートの相棒であり、彼専属の殺し屋兼護衛人。
通称ギンギツネのヴィクシー。
フォクシーレディ以上にきわどく、そしてどこか酷似したコスチュームを身に纏う。
物静かではあるが、殺し屋の癖におしゃべりではある。しかしその能力の高さは一品。
彼女も何故かイカリを体得しており、その技術の高さはフォクシーレディ以上とも。
また、フォクシーレディのコゲツに酷似した可変ダガー、『ソルコ』を使う。
スーツもフォクシーレディ同様イカリの技術が使われており、ファーの部分はやはり同じようにして武器化する。
ブラックハートと共通の目的があるらしいが、共に生まれなどのプロフィールは全くの謎で、シャーウッド家だけが受け継いできた特殊技能を彼女が何故持っているのかも謎である。
フォクシーレディの事を気に入っており、やたらと絡みたがる節がある。
常に自分の方が一枚上手であるという意識があるらしく、フォクシーレディをからかうのが楽しいらしい。
フォクシーレディと最も異なるところは、彼女が意識的に自分のスタイルの良さをも率先して武器とするところである。ブラックハートいわく、「いかなる男もあの女には敵わない。」
次回、ヒーロー紹介第三回の更新はこのヒーローだ!
ほどほどにお楽しみにね!
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