異形なるその身くねらせ人を祟るは
石のほこらのへびがみ様
祟り避けたきゃ卵そなえろ
祟らせたきゃ卵そなえろ
今週の妖怪絵札は蛇神の道通様です。蛇の神様です。
蛇の神様というものは、昔は各地にあったようです。事実、伏見稲荷大社の御神符には、稲荷の使いである命婦(キツネ、厳密には白狐)と共に、財力の象徴としての蛇が描かれていたりします。
いずれにせよ古い神様なので、言い方を変えるなら「妖怪神」といったところです。場所によって呼び名も異なり、「トンバイ」とか「トウビョウ」とかいったりします。頸に黄色もしくは白い輪の模様のある黒い蛇のことだそうで、祟りだので恐れられたそうです。
よく清姫のお話とかでも、蛇で執念や怨念の強さを表す形式があるのも、こういったところからきてるんだろうなあ。蛇のあのニジリながら移動する姿が何かそういうものを感じさせるのかもしれませんね。
祀られる動物とそうならない動物とがありますが、その違いってなんでしょうね。見た目の問題ですかね。
前述した伏見稲荷の御神符の蛇さんは、米俵からにゅっと出てきている図になってます。もしかしたらネズミとかの害獣から穀物を守る的な意味合いとその異様な姿から崇拝対象になったのかも。
ところで、僕の描いた道通様の絵ですが、この積んであるような変な石の家に見覚えはないでしょうか。これはアレですよ。あの「千と千尋の神隠し」の冒頭に登場しているものです。
千尋のお母さんが「神様のお家よ」と説明していたアレは、実際にある道通様の家なんです。岡山県に道通神社ってのがあって、今でもそこに石の家があるそうです。
多分なんですが、定期的に石の家を地元の人が道通様に寄贈するのでしょう。そんな訳で小さな集落みたいになっとるんだと思います。
これは偉大な大先生である水木しげる翁の本で読んだのですが、その石の家に、蛇の大好物である卵をお供えするんだそうです。
毎回下手な字で語呂もリズムも微妙な説明文が絵についてますが、今回の説明で「祟らせたきゃ」とありますが、決してそんなことをしてはいけないよ 笑。
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