そういう訳で、大分今更な映画感想。
結構時間も経っちゃってるので、そんなに詳しい感想にはならないと思うよ。
いつも通りネタバレ部分は反転文字!
まずはイリュージョニスト。
『老婦人と鳩』や、『ベルヴィル・ランデヴー』のシルヴァン・ショメ監督の最新作。
ここ最近このパターンばっかりですが、これもまたかなり前から日本公開を楽しみに待っていた作品です。
凄くいい作品でした。これも当時ツイッターに呟きましたが、僕は映画館で号泣してしまいました。(一緒に観に行った友達は別に泣くまではいってなかったよ)
静かな感動です。そしてとても切ない。
まず背景にあたる、手品師、腹話術師、道化師の境遇ってやつが、正直な話他人事には思えなくて。彼らは登場した時点で既に少し物悲しかった。『今時流行らないレベルのエンターテイナー』達の姿に自分の姿が重なってしまいましてね。
仕方ない事の中にいて、仕方ない流れの中に取り残されていく感覚というか。
その中で展開する、イリュージョニストと、スコットランドで出会った少女アリスの共同生活。変らない純粋さの中に、当たり前の変化があって、その中で必要のないものは生まれる。
それらは全て『仕方のない事』で、『当たり前な変化』。そしてそれは決して悪い事ではない。
見守り、そして静かに立ち去るイリュージョニスト。魔法はもう必要ない。
上手く雰囲気を伝えられませんが、あの静かな切なさがかなりきたんだよなあ。
最後の列車でのやり取りとか、イリュージョニストの手の中の写真とか、凄くクる。そしてED後の、雨の中で酔っ払うスコットランドの例のおっちゃん。ここには変らない世界もある。それが暖かい。
なんというか、観る前から良さそうな話だなと思っていたけれど、まさかここまでいい話だとは思ってなかったです。前二作と毛色凄い違うからなあ。前二作も大好きですが 笑。
終始あまり登場人物のアップを撮らない劇場風な画面なのも良かった。相変わらず台詞は殆どないし、随所に笑えるところもある。最近のジブリと違って音楽も抑え目、じんわりと作品を味わえます。
ベルヴィルに出てきたネズミ顔のおっさんがまた脇役で登場してたね 笑。
にしても、こうやって去年のアカデミー賞長編アニメ部門ノミネート作品を三作全部観てみて思ったのは、やっぱりここはトイストーリー3に受賞してほしくなかったなあって事。
トイストーリー3は勿論面白かったけれど、やっぱりこういう『賞』ってのは、どこか少し隠れた名作に贈られて欲しい思いがあります。まあ、ノミネートでも充分宣伝効果は強いですから大した問題ではないんですけれどね。
兎に角、とてもいい作品だったので、DVDとかBDとかが発売されたりレンタルが始まったら、皆さん是非観てみて欲しいです。
(なんか日本版のトレーラー観てみたらえらいネタバレだったので海外版を載せときます↑)
過去の作品、『ベルヴィル・ランデブー』『老婦人と鳩』も凄く面白いのでオススメです。
ベルヴィル・ランデブー↓ おばあちゃん達が大活躍する痛快冒険活劇。なんかこのトレーラー観たら久々に本編をもっかい観たくなってきた。
老婦人と鳩↓ ホラー 笑。ベルヴィルのDVDに収録されてます。
お次はファンタスティックMr.FOX。 ↑ 絵のポン子は狸ですが。
なんというか、感想に困る映画でした 笑。
面白かったんです。ただ、これを 『面白かったよ!観なよ!!』 とは勧められない 笑。
独特で不思議な魅力の映画でした。面白いくらい観ててテンション上がらないんだけどね。なんだろうなあの盛り上がらなさ 笑。
実はウェス・アンダーソンの映画は他のを観た事なくて、(『ダージリン急行』辺りを観たいなと思ってる)今回が初でした。
映画は全体的にダールワールドそのままな雰囲気です。僕は小さい頃にダールの児童書が好きで結構読んでいました。記憶は大分薄れているけれど、あの雰囲気そのまま。
でも『きつね父さんばんざい!』は読んでなかったんだよね。多分、映画のまんまなんだろうな 笑。
ミスターフォックスが狼と心を通わせるシーンがなんとなく好きです。美しく強きワイルドアニマルたち!
終盤の、ミスターフォックスが自分の尻尾を取り戻す為に奮起しそうになったところをやっぱやめようってなるシーンは、口と表情ではああ言ってるけれど、一瞬家族の事を思い出して退いた、と脳内解釈して勝手にイイ話にしてます 笑。
そして奥さんのミセスフォックスがお美しかったです。
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