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一応日記的なもの

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79caf865jpeg異形なるその身くねらせ人を祟るは


石のほこらのへびがみ様


祟り避けたきゃ卵そなえろ


祟らせたきゃ卵そなえろ






今週の妖怪絵札は蛇神の道通様です。蛇の神様です。


蛇の神様というものは、昔は各地にあったようです。事実、伏見稲荷大社の御神符には、稲荷の使いである命婦(キツネ、厳密には白狐)と共に、財力の象徴としての蛇が描かれていたりします。


いずれにせよ古い神様なので、言い方を変えるなら「妖怪神」といったところです。場所によって呼び名も異なり、「トンバイ」とか「トウビョウ」とかいったりします。頸に黄色もしくは白い輪の模様のある黒い蛇のことだそうで、祟りだので恐れられたそうです。
よく清姫のお話とかでも、蛇で執念や怨念の強さを表す形式があるのも、こういったところからきてるんだろうなあ。蛇のあのニジリながら移動する姿が何かそういうものを感じさせるのかもしれませんね。


祀られる動物とそうならない動物とがありますが、その違いってなんでしょうね。見た目の問題ですかね。
前述した伏見稲荷の御神符の蛇さんは、米俵からにゅっと出てきている図になってます。もしかしたらネズミとかの害獣から穀物を守る的な意味合いとその異様な姿から崇拝対象になったのかも。



ところで、僕の描いた道通様の絵ですが、この積んであるような変な石の家に見覚えはないでしょうか。これはアレですよ。あの「千と千尋の神隠し」の冒頭に登場しているものです。
千尋のお母さんが「神様のお家よ」と説明していたアレは、実際にある道通様の家なんです。岡山県に道通神社ってのがあって、今でもそこに石の家があるそうです。
多分なんですが、定期的に石の家を地元の人が道通様に寄贈するのでしょう。そんな訳で小さな集落みたいになっとるんだと思います。
これは偉大な大先生である水木しげる翁の本で読んだのですが、その石の家に、蛇の大好物である卵をお供えするんだそうです。


毎回下手な字で語呂もリズムも微妙な説明文が絵についてますが、今回の説明で「祟らせたきゃ」とありますが、決してそんなことをしてはいけないよ 笑。

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85a7970djpeg父 酒呑の仇討たんと


牛のむくろにてその時を待つ 鬼子鬼童丸


彼もまた敗者











妖怪絵札第5弾は鬼童丸です。マニアック!(これからはなるべく週1くらいで妖怪絵札アップしようと思います。出来る限り)


まず「鬼童丸」という名前ですが、正しくは「鬼同丸」なんです。でも本によっては「童」でもあり、僕はそっちにしました。なんでかというと、鬼童丸はかの有名な鬼、大江山の酒呑童子の息子なんですね。だから童の字を入れたかっただけ。


で、まず酒呑童子について説明しなければならないと思うんですが、彼は元人間の鬼で、子どもの頃に山に捨てられてしまい鬼になり、盗賊をしていた鬼です(元は鬼を名乗った山賊だってことだったんでしょう。それが色々脚色されたのだと思います)。
それを退治すべく、妖怪ハンターで名高い源頼光(雷光)とその四天王が山伏に変装して酒呑らの宴会に潜入し、寝所で美女に方をもませていた酒呑童子を退治したというお話です。


その酒呑がさらった女性との間の息子というのが今回の鬼童丸で、彼は牛の死体に身を隠し、父親の敵である頼光を討とうとして返り討ちにあってしまうという鬼です。


とはいえ、鬼童丸は恐らく酒呑童子伝説から派生して創作された登場人物で、実際のルーツは特にないっぽいです。


鬼や妖怪の元を辿れば、それは歴史上の敗者であったという黒い面も段々垣間見えてきたりします。事実、大和朝廷に従わなかった一族のことを、「土蜘蛛」と呼んでいたという話もありますし、一説だと「狐」や「河童」も被差別民を指していたとかいう怖い話もきいたことがあります。肉の塊妖怪「ぬっぺふほふ(ぬっぺっぽう)」なんかも、ある種の奇形児だったのではないかとも思えるし…。


また精神的な面えでは、妖怪は他の宗教に追いやられた神の零落した姿とも柳田國男は言ってます。なんでも、「一つ目小僧」は元々、ある宗教における神官が、精神的な世界を見るために片目を潰すことに由来しているとか。
手塚治虫の火の鳥太陽編はまさにその構図ですよね。恐らく手塚さんは意図的にこれをやってます。仏教神と古来の神々が戦争をする時、古来の神々は石や木から飛び出し(これはアニミズムに沿っての表現でしょう)、その姿は天狗のようだったり、牛鬼のようだったりしてますし、これに繋がる異形編ではしっかり「妖怪」になりましたからね。


正直太陽編の構図は自分も漫画でやりたいと思ってたものだったので、高校生の時に読んでショックを受けました 笑。



話が逸れましたね。ちなみに酒呑童子伝説には他にも派生があって、彼の弟子の一人である茨木童子は、羅生門の鬼として、頼光の四天王の一人渡辺綱と戦う話があります。あと、酒呑童子は八俣大蛇の生まれ変わりとも言われてます。酒運の悪い人ですね。更に酒呑童子は安徳天皇に生まれ変わった、なんて言われていますがそこはまた歴史の敗者という黒くて重い話なのでこの辺で。

ad01b36djpegその爪 蛇も避ける毒爪


苦笑の相の上 毒舌


ただ時気まぐれに


人をいやすその爪は


はて神の手か 悪魔の手なのか



第四弾は苦笑というマイナー妖怪です。

もう大体の説明は上記の通りです。常に苦笑いな顔をしていてその爪には凄い毒がある一方、時には癒す力があったりするという…。


性質的には所謂「苦笑い」の原因な妖怪なわけですが、この妖怪苦笑には妙に細かな特徴付けがあります。
まずさっきの毒爪の設定(この爪が触れた料理はすこぶる不味くなるらしいです)。それから、苦笑は人に嫌われるのが好きで、常に毒舌を吐くらしいです。トゲトゲしいことを言ったり憎まれ口をきいたり、見下したり侮ったような冗談を言うのが好きなそうです。


こんな奴いたらヤダね 笑。


実際絵のなんとも嫌な雰囲気と元の性質があいまってすこぶる彼のポストカードは人気がないです!友達は割りと嫌いじゃないみたいだったけど、確かに僕もこれはイヤだなあ 笑。


苦笑は以前中学の時描いてた妖怪漫画に登場させました。なぜか以前ここで載せた団三郎の部下でした。
因みに、マイナーと言いましたが、苦笑も百鬼夜行絵巻を見ると大体登場している妖怪です。黒っぽくてトンガッタ変な耳みたいのがついてる鼻のデカイオッサンみたいなのが苦笑です。割と直ぐに解ると思います。



同じ感情や体調変化の原因とされる妖怪は多いです。「ぶるぶる」とか「いそがし」とかね。この辺は大体名前だけでどんな性質か解りやすいもんですが、やっぱり設定が何故か細かいです(ぶるぶるに関してはオスメスがあってその違いまでハッキリ設定があります)。


昔は何から何まで精神的存在が様々な変化を司っていることになっていました。八将軍だの金神だのの方位神から疫病神だの病虫だの。


何が?っていわれると何がなのか解らないけれど、こういうのってオモチロイね。

656184d8jpeg風吹き


鎌舞いて


気付けば一筋の傷











不定期連載第三弾はメジャーな鎌鼬さんです。
説明は最早要らない妖怪だと思いますが一応。


道を歩いてて風がヒュッと吹き、特に何も感じず家に帰ってみると血が出ているのに痛みのない(もしくは血の出ていない)切り傷に気付いた!ってのの犯人とされたのが鎌鼬。


血が出ないっていうのは、鎌鼬が三人組みで、一匹目がつっかかり、二匹目が切り、三匹目が薬を塗るからだそうで。これももう大分有名ですよね。大神でもやっぱり三匹組みだったし。
アレかな。うしおととらで有名になったのかな?(あの漫画5刊くらいまでしか読んだ事ないです。読みたいなあ)

ちなみにその「三人組である」っていう話は岐阜県原産だって話を聞いた事があります。なんで鼬なのかっていうと、鼬はたまに変な行動をとるらしくて、当時の人にとっては怪しい動物だったんです。
風の妖怪は鎌鼬以外にも結構いますね。精霊風(しょうろうかぜ)とか、山颪とか。


全く関係ないですが、英語で『土砂降り』のことをキャッツアンドドッグスっていうらしいですね。最初は犬と猫がギャイギャイ喧嘩する激しさに由来しているんだと思っていたんですが、なんでもあっちでは犬が風を司っていて、猫が雨を司っているとされてて、そこから来ているらしいです。
どっかの本で読みました。記憶が曖昧なんで確証ないけど、中学時に描いてた漫画にそのネタ使っていた気がするから多分ホントです 笑。

1f1c20afjpeg佐渡の狢の親分は


狢きっての大金持ち


大風呂敷にゃ金銀財宝


欲しけりゃ敬え 二つ岩大明神





不定期連載妖怪絵札第二弾は袋狢の団三郎です。「誰ぞそれは」という人が多いかもしれませんが、そんなにマイナーな妖怪じゃないです。少し詳しいくらいの人だったら知ってると思います。平成狸合戦ポンポコにも名前がチラッと出てきたような出てこなかったような…むしろ本人が出てきていたような…笑 (大分昔に二回観た程度で覚えてないや)


百鬼夜行がテーマの巻物には恐らく必ずといって良いほどの頻度で出てきますよ。この絵も大分それらを参考にしているので、多分実物も見れば直ぐにわかると思います。


狢ってのはよく聞く動物ですが、狸もしくは穴熊を指すらしくて明確にどっちって訳ではないみたいです。まあどっちかっていうと狸の方で通ってるかな。で、それの化けたのが袋狢です。大きな風呂敷を持っていて、金品をパクるのがお仕事。要はドロボウさんですね。


団三郎はその袋狢の親分で、よく木の葉の小判で酒屋や米屋へ買い物へ行ったとか。でもたまに困ってる人に金を貸してやったりもするらしく、全くのワルではないお方です。今でも地元では「二つ岩大明神」として祀られているらしいです。
割と僕自身団三郎はそのノラリクラリな印象が好きで、中学の頃描いてた漫画にもダルダルしたキャラで登場させました。例の、ギャラリーのDOODLEのコーナーに絵があるよね 笑。


関係ないけど、日本の『祀る』っていう文化は面白いなと思います。純粋に神様とか怨霊になったとか言われちゃってそれを鎮めるために祀られてる菅原道真だとかをってのは良くある事ですが、中には罪人を祀ることもあって。
その昔鬼あざみ清吉っていう怪盗がいたらしいのだけど、彼はなかなか運のある男だったらしく、なかなか捕まらなかったことで有名になった人で、その『運』の強さから信仰の対象ににまでなったとか。

今でも彼の墓には受験合格祈願の札まで貼ってあったりであるらしいです。『運よく合格しますように』ってことだよね 笑。場所は忘れちゃった。どこだっけ。


もしかしたらルパンとかロビンフッドみたいな義賊だったのかなあ。それにしても泥棒でも神様になるとは、面白いことだなと思います。

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